暖かい家の理由

暖かい家の理由

「床下エアコン1台だけ」の暖房システム

木の家「恵森」は、14帖用のエアコンたった1台でお家全体の暖房を行っています。

恵森の家では、写真のように床下にエアコンを設置します。エアコン1台だけでの暖房ですが、家中どこにいても温度ムラがなく、床暖ではないのに足元からぽかぽか暖かい。そんな環境を実現しています。

本来、エアコンは壁掛けで空気を暖めて吹き出す対流式(※)の暖房方式ですが、当社でのエアコンの使い方は少し異なります。
床下エアコンの仕組みは空気を暖めるのではなく、床や壁など建物自体を輻射的(※)に暖めるので、快適な暖かさが得られます。また、一度あたたまってしまえば床や壁、基礎その物に熱が蓄えられているため
暖房を切ってしまったとしても、温度変化が非常に緩やかになることも特徴です。
※:暖房方式、「対流式」と「輻射式」の違いについて、詳しくは下記のコラムをご覧ください。

床下エアコンによる暖房は、
① エアコンの圧倒的な省エネ性を最大に活かせる
② エアコンが苦手とする、足元からじんわり暖かい環境を作り出せる。
③ 屋根や壁から各部屋にダクト配管をしなくてもシンプルにエアコン1台で全館暖房が出来る。
④ メンテナンス性が良い。機械の取り換えも容易。
と、非常に理にかなった暖房システムです。

この床下エアコンのシステムを可能にするには、主に1.基礎と、2.断熱・気密の構造に十分な配慮が必要です。
1.基礎の構造について詳しくはこちらをご覧ください
2.断熱・気密の構造について詳しくはこちらをご覧ください

コラム】 暖房方式「対流式」と「輻射式(ふくしゃしき)」の違いって?


対流式と輻射式は、暖房方法の2つの主要なタイプです。以下にそれぞれの特徴を説明します

対流式暖房:
対流式暖房は、空気を暖め、暖かい空気が部屋中を循環することによって暖房効果を得る方法です。対流式暖房器具は、電気ヒーターやオイルヒーター、ファンヒーター、ガスストーブなどがあります。対流式暖房の特徴は以下の通りです。

比較的低コストで購入できる。
温風を送り部屋全体を暖めるため、広い範囲の暖房に適している。
暖かい空気が上昇する傾向があるため、天井近くが暖かく、床近くが冷たい等温度ムラになりがち。
また、温風や冷風が直接体に当たるため不快に感じやすい。

輻射式暖房:
輻射式暖房は、赤外線放射によって暖める方法です。輻射式暖房器具には、電気ストーブ、赤外線パネルヒーター、ガスストーブなどがあります。輻射式暖房の特徴は以下の通りです。

直接人体に熱を与えるため、暖かさを感じやすく、快適に感じられる。
空気中の塵や湿気に影響されず、乾燥しないため、アレルギーや喘息の方にも適している。
効率がよく、電気代やガス代の節約になる。

以上が対流式暖房と輻射式暖房の特徴です。どちらの暖房器具もメリット・デメリットがあり、目的や環境に合わせて選ぶ必要があります。

床下エアコンは他にもこんないいことがあります!
  • 省エネ性能!:エアコンは現在もっとも省エネ性の高い暖房器具の一つと言われています。
  • メンテナンス性がよい!:他の全館暖房方式(床暖やダクト式の全館暖房)に比べ、非常にシンプル。修理や交換の際の費用も安価となる(長期的なコストの削減)
  • 空気がきれい!:一般的なエアコンの様に室内側で送風する仕組みではない為、ホコリも舞いあがらない。
  • 温度変化が非常にゆるやか!:基礎や床、建物そのものを暖めるため熱容量が非常に多くなります。そのため暖房を止めても急激に温度が下がることはありません。
  • 気密や断熱欠損を防ぐ!:複雑なダクトの配管が不要の為、建物の施工精度がよくなります。それにより、無理なく気密断熱性に優れた建物の構造が可能になります(平均C値=0.3)
  • その他:
    (1)部屋間の温度ムラは不快(ヒートショックの原因)。床下エアコンのシステムは柱状基礎により家じゅうどこに 
      行っても温度ムラがありません。なんと浴室までも暖かに。
    (2)通常、エアコンは足元を暖めることが苦手な機械です。足元と上半身で感じる温度ムラは不快なもの
       (足元から暖かいことが快適です)床下エアコンを使うことにより、エアコン暖房でも足元からポカポカ
       暖かい環境がつくれます。
    (3)対流式の暖房は温風が直接当たる為に不快に感じやすい(F.F、エアコン等)。ホコリも舞い上がるので
       アレルギーの方は注意が必要です。
    (4)湿度環境に優れる(過乾燥はいくら暖かくても不快)低温でゆるやかに暖める為、冬場の過乾燥対策にも優れ
       た性能を発揮します。

暖かさを実現する「基礎」の構造

床下エアコン1台での暖房システムを実現するには、建物(家)の基礎構造も専用の設計をします。
特に、エアコンから送られる熱が外部に逃げず、かつ床下全体に行きわたるようにする必要があります。

そこで恵森では、ベタ基礎をベースに「柱状基礎」工法を取り入れ、さらに基礎をスッポリと断熱材で
覆う「全面基礎断熱」工法を採用しています。
これらの構造により熱を逃がさないことはもちろん、床下には複雑な立ち上がりがなく、通風性の良い
フラットな基礎となります。 

床下エアコンの熱を基礎全体に行き渡らせ、足元から暖かい環境を作り出します。
空気ではなく、建物自体を暖めます。 

その他、恵森の基礎にはこのような特徴もあります!
  • 基礎立上り500㎜+柱状基礎により床下のメンテナンスが容易。
  • コンクリートは通年30N/mmを使用している。
  • 土間コンクリ―ト下には全面断熱が施工される。 立上がり部には内外両断熱。
    断熱材には特許製品防蟻断熱材「パフォームガード」を採用し。基礎断熱の弱点、シロアリの食害への対策。
  • 通風性の良いフラットな基礎形状とすることにより、木造住宅の劣化原因である床下の湿気だまりをつくらせない。

高気密・高断熱の考え方

どんなに優秀な暖冷房機器やシステムを使用しても、熱ロスがあるような建物ではその機械性能を活かせているとは言えない。
暖冷房システムを活かす為には「器の性能」=気密・断熱性能が必須。
一部を高断熱化しても意味が無い(例:サッシだけをトリプルにしても壁や天井の断熱が薄いとそこから熱は逃げる) 
住宅全体でバランスを取る必要がある。
また、断熱を確保しても気密が悪いと熱は空気と共に逃げていく。

建物の断熱・気密は、以下のような仕様を主に採用しています

壁の断熱W断熱:内部充填断熱120㎜+外部付加断熱100㎜=220㎜厚
屋根の断熱W断熱:内部充填断熱120㎜+外部付加断熱240㎜=360㎜厚
基礎の断熱W断熱:基礎立上り内部50㎜+外部50㎜ 基礎土間:全面基礎断熱200㎜
開口部(サッシ)トリプル樹脂サッシ。自然エネルギーの恩恵を受け入れる為、大き目のサッシを標準搭載。積極的に日射取得を行い、冬期の暖房負荷を軽減する。
第一種熱交換式24時間換気システムダクトレス式第一種熱交換換気システム
気密の取り方、測定丁寧な施工とシンプルな設計により全棟安定した高気密化(平均C値=0.3)に成功している。
全棟気密測定を行う。可変調湿気密シートを採用。
断熱性能(UA値)UA値=0.2~0.25(ZEHレベルの省エネ性)
気密性能(C値)C値=0.2~0.4
省エネについて

14帖用エアコン1台で全館暖冷房が可能=省エネ
機械性能に頼った省エネ性とは異なり、そもそも家で使うエネルギーが少なくて済む(電気代が安い=省エネでは無い)

その他、恵森の断熱・気密にはこのような特徴もあります!
  • 防音性の向上(国道が近くても気にならないレベル)
  • 高気密化により換気性能がUPする(空気環境の健全化)
  • 高気密化により湿度環境がコントロールしやすくなる(特に夏場は室温より湿度の調整が重要) 
  • 熱ロスが少ない為、暖冷房機器は台数が少ないかつコンパクトでOK(将来的な維持補修・交換が容易)